2012年3月24日土曜日

寄稿:創立30周年と中国と私 高山浩一

松本日中友好協会創立30周年誠におめでとうございます。
私は、1994年に中国旧満州への第九次公式訪中団に参加して以来、松本日中友好協会の活動に参加しています。ですので、30周年における半分ちょっとの歴史を共有させていただいています。
経済発展著しい中国は、その間も激動というくらい環境がかわってきていて、その友好関係のあり方も大きく対応が変化しています。
具体的にいえば、信州大学等は10年前までは、国費留学の学生が多かったのが、もうほとんど私費留学生です。つまり、中国の富裕層が激増しているということです。カラオケなど一緒に行くと、お小遣いは、こちらよりも持っている感じで驚きます。そして、中国の希望小学校に、バザーなどで集めたお金、文房具等をもって訪問した時代は終わり、グランドもパソコン環境も日本を上回る高学習環境の小中学校となってきています。最近、経済成長は鈍化しているというものの、少なくとも「不況」という文字は中国では感じられません。
中国の人は、大陸だけあって、おおらかです。島国の日本人のように細やかな気遣いはしない代わりに友人になると徹底して親密になります。よく、中国には「知人」という付き合い方がないといいます。近所の人で通りすがりによく知らない人でも挨拶する日本人の感性とは、まったく違います。友人かそうでないか、と割り切らないと人口が多すぎて付き合いきれないという事なのかもしれません。あと、ニュースで報じられる日中間の温度差。日本で騒ぐのは、日本のマスコミが意図的に反中ニュースを作り出しているのではないかと思うくらいのもので、ほとんどの中国人は日本人に対して好意的です。TVは、ニュースにしろ番組にしろ、その局の経営側のプロバガンダが多いのです。国と国の壁とその国の常識の違いはありますが、庶民感情はあまり変わらないものです。人口が多ければそれだけ極端な人物やニュースはあるものですが、あくまでニュースになるのは特殊なケースと思います。つまり、日本で小学生惨殺事件や、バスジャックなどが起きても日本人は、日本人らしい事件とは思いません。近所にそういう人はめったにいないからです。ところが、中国でそのようなことが起こったとすれば、中国に行ったことのない人は、中国人は怖いね、と恐れます。日常習慣も違うので、なおさら理解できないので国民性かと勘違いします。でも、あくまでニュースに出てくる事件は例外なのです。同じ地球の同胞です。あまり、人間の根本部分は変わりません。
日本人男性はYAP遺伝子という特殊な遺伝子を継承しているそうです。これはイエス・キリストをはじめ古代ユダヤ人と同じ系統で、日本人ならではの武士道精神と通じる根底に潜む遺伝子のようです。大陸浪人として活躍した川島浪速先生は中国人は、砂の民族でなかなか水を混ぜても固まらない、これを固めるには日本人的発想を混ぜないといけない、すなわち日中友好促進することで中国も国として発展できると養女川島芳子に教えています。昨年は、辛亥革命100年をお祝いしましたが、リーダーの孫文も、共産党革命の諸葛孔明といわれた周恩来も、日本での留学体験と友人とのつながりが革命の原動力になっていたといわれています。危機感いっぱいの日本経済を建て直し、21世紀を平和の時代としていくためには、中国と日本がしっかりと手をとり、協力していくことが鍵になると思います。
何回かの松本日中友好協会の訪中団のほか、日本青年交流代表団や長女を連れて行った上海万博見学など、これまでに何度も中国は訪問していますが、そのたびに新しい発見と出会いをさせていただいています。今後も、協会の活動を通じ、国境を越えて人々が理解しあえる機会作りの一助が出来れば幸いです。