2016年5月23日月曜日

5.15 特別講演 中国駐日大使館政治部 薛剣 公使参事官

中国駐日大使館政治部  薛 剣 公使参事官が
 松本日中友好協会創立35周年定期総会で講演
 
  平成28年(2016年) 5月15日(日)、中国駐日大使館政治部の薛 剣 公使参事官が、長野県松本市で松本日中友好協会に招かれ「中日関係の明るい未来を創るために何が求められるか」と題する講演を行いました。


       
  薛 剣 公使参事官は講演の中で、中日関係の明るい未来を創るためには、中長期的に両国の発展を考える必要があり、中日双方に求められる以下の5つのポイントに分けて、一緒に考えていくよう強調しました。
① 自信を取り戻す
② 共に新たな発見の旅をスタートさせよう
③ 利益共有を絶えず拡大すること
④ 国民大交流の時代を創ること
⑤ 危機管理メカニズムをしっかり構築し効果的に運用すること
 
まず、「① 自信を取り戻す」については、近年、両国民の間では、非常に批判的な見通しが広がって、自信創出状態に陥っていたが、客観的な事実認識に基づき、自信を取り戻す必要がある。
次に、「② 共に新たな発見の旅をスタートさせよう」について、相互の文化的・文明的な存在価値と、大きく変化した社会の現状を再確認したうえで、東洋人としての発想・視点から、新たな時代の変化に合った取り組みを議論する必要がある。
また、「③ 利益共有を絶えず拡大すること」については、相互の投資など、両国間の物的な基礎をより一層固め、インフラ整備や開発援助といった分野でもバランスのとれた経済の仕組みを、アジアという大きな視点で協力・発展させる必要がある。
更に、「④ 国民大交流の時代を創ること」について、一般の中国人がこれほどまで多く訪日できるようになった現在の状況は、2千年の長い中日交流の歴史の中で初めてのことであるが、将来的には人口規模からも更に増加する可能性が高く、特に若者同士のより多くの交流のチャンス・ステージを創り交流を促進することが重要である。
最後に、「⑤ 危機管理メカニズムをしっかり構築し効果的に運用すること」については、両国間の安全保障の分野は非常に脆く立ち遅れているため、危機管理面を強化して、相互に信頼できる関係を築き、新たな変化に対応できるよう、建設的な議論と地道なアプローチを続ける必要がある。
また、薛 剣 公使参事官は、中国からの訪日観光客の増加に関する規制緩和や、アメリカ大統領選の日中関係への影響など、出席者からの質問にも答えました。
今回の講演は、松本日中友好協会の創立35周年の記念講演として行われたもので、松本日中友好協会の相澤孝夫会長・西田節夫理事長(長野県北京放送を聞く会会長)や当協会の会員、関係者及び地元メディアの記者など、各界の100人余りが出席しました。
     
     


【講演終了後松本日中友好協会60人余りの会員との交流懇親会に出席致し交流を深めました。】

       
(以上)